▼ 04/21“グループリビング「えんの森」(埼玉県新座市)見学会”参加

04/15にひきつづき、04/21福祉住環境コーディネーター協会主催の見学会に参加。 “グループリビング”は高齢社会の新しい住まい方のモデルといわれ、以前より関心があった。建物を見られるのもうれしい。 

西武池袋線急行で池袋から15~6分“ひばりが丘”からタクシーに分乗現地へ。道が狭い上、入り組んだ駅付近から抜けるにつれ、次第に空が広がりを見せ、緑も目にはいってくる。このところの陽気と違い、4月にしては午後だが気温が幾分低め、上着だけでは心もとないか?少し後悔・・・

ところで付近は旧石器時代の遺跡もあり、さらに奈良時代から近世に至るまでこの地で歴史と文化はいろいろに展開を見せ、あの“野火止用水”など江戸に近い立地からも地道で熱心な開発が行われた土地柄。しかしそれまでの長い、長~い農業中心の開発の時代から、昭和40年代にベッドタウンとしての急速な変化が訪れる。

高齢化率は全国平均をやや下回るらしいが、年齢層では55~64歳の割合が高く、ベッドタウンである事を裏付けている。これからの高齢化率が高くなる様相。こちらも多摩、神奈川と状況は同様 

10分程で到着した現地は“石神”というやはり古い土地柄、ミニ開発された住宅地から一歩離れると畑地や雑木林が点在する。グループリビング「えんの森」周囲はそれまでの平坦な地形から変化し起伏のある中、気持ちの良い広い雑木林に囲まれた地域。(しかしそれはミニ開発された住宅地を回り来んだところにあった。付近の土地開発の状況を象徴している気がする)

案内され、広間(居間兼ダイニング)で代表理事(高齢者、障害者の支援活動、調査、文化活動などを行う特定非営利活動法人が運営)のお話を伺う。そこにいるだけでゆったりした面積配分である事が推察できる。洗練されたやさしいデザイン、丁寧な造りという印象。環境に恵まれ、また良い施設が出来上がり満足しているとの事(敷地約950㎡、延床面積約590㎡、定員10名)。補助金事業であること、施設の概要、これまでの設立経緯を伺う。施設内を見学。夕食の支度の音以外、誠に静か。浴室は兼用だが、個室部分もトイレ、洗面、キッチン、収納付で約26.5㎡/戸と“高優賃”の条件をクリアし、やはり広め。

“グループリビング”は “有料老人ホーム”、“グループホーム”、“高優賃”の共通項のような特徴を有する施設。その概略は次のようだ・・・

・入居一時金が必要となる面では“有料老人ホーム”と同じであり、終の棲家とする事が可能、一方で介護や支援は常態ではない(食事、共用部のメンテなどのサービスは月額費用に基本含まれるが自炊も可能)

・共同生活をする点は“グループホーム”と同じだが、こちらは基本的に要介護度が低く、自立した方達の話し合いによる共同運営。常 駐職員が不要の場合も 

・自立性のある生活のしかた“くらしぶり”の点ではサービス付の“高優賃”に近い、中には仕事を持っている方も 

近隣にこの法人の高齢者支援サービス施設があることにも安心感がある。

むしろ“シェアハウス”にも近い、こうした自由度のある生活だが、入居者としては、それなりの経済力があり、例えば家族と離れて暮らす事情のある方や覚悟を持っている方など、また共同生活という意味では、やはり“社会性”や“人間関係の調整能力”のある人に自然としぼられるようだ。男女を問わないという原則だが、現在は結果的に女性のみ(になる傾向か?)

代表理事から、入居者の方たちの“くらしぶり”や運営についての貴重なお話。実際の「グループリビング」についての収穫有りです。 立地の自由度は“高優賃”と同程度と考えられるし、現在の施設数は多くはなくとも高齢になってからの自由な意識と多様な暮らし方としての可能性はあると思う。これからいろいろな地域やケースでふさわしいか、その都度適用の可能性を、いろいろな状況で丁寧に考えてみることが必要になるものと思われる   ( 尚、写真に写っている個室は空き室であり、写っている方達は代表理事の方と見学会参加の方達 )